抵抗測定
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PPMS Resistivity Measurementの覚書

Original2005 June 松浦   (追記:2013June 池田@吉沢研)

 

  • 土台(puck)は2つある。
  • 一つの土台には3試料分の4端子ポートがある。(下図①)
  • サンプルを乗せる中央部をエタノールできれいにする。
  • 中央部にLENS CLEANING TISSUE(棚にある)をのせ、エタノールで薄めたワニスを浸す。(←薬包紙でもいいし、面倒なら両面テープでも良い
  • ワニスが乾かないうちに試料をのせ、puckに圧着させ固定する。
  • 端子は先の細い半田ごて(ストックルームにある)を用いると半田で容易に端子台に付けられる。puckの受けるダメージを考えると、銀ペーストによる端子付けが望ましい。また、はんだ溶接は、金線などを容易に溶かしてしまうため、お勧めしない。どうしてもはんだごてを使う場合は、温度調節ができるもので行うことを推奨。
  • PPMSに入れる前にUser Bridgeにセットし、導通をチェックする。
  • Bridgepuckをはめ込み、ResistivityコネクタをBridgeに接続する。
  • UtilitiesActivate OptionからResistivity以外をdeactivateResistivityactivateにしておく
  • データパス、サンプル情報を入力
  • Bridge Setupメニューで導通をチェック
  • 試料を付けたチャンネル、電流リミット、Power LimitVoltage Limitを入力
  • Power Limit1000Voltage Limit95を入れておく

 

http://yoshizawa.issp.u-tokyo.ac.jp/resistivity/image.jpg

 

 

 

 

 

 

 

  図1:抵抗用サンプルpuck (3試料分タイプ)

 

 

 


サンプルをPPMSに入れる

  • サンプルを交換時はチャンバー内が300K(±5K)になっていなくてはならない。
  • 10Kから昇温させる時は20K/minのペースで上昇させる。
  • 300Kになったら
  • InstrumentChamberでポップアップウィンドウを開く。
  • Vent. Cont. (Vent Continuous) ボタンを押しヘリウムガスを流す。
  • すぐにはヘリウムが流れてこないのでしばし (~ 数十秒) 待つ。
  • 本体のLCDChamberの項が"Flooding"に変わる迄待つ。
  • 耳をたてるとカチッと弁が開く音がする(2回鳴る。2回目の後、Flooding開始となり、試料交換ができるようになる)
  • サンプルの挿入ロッドにpuckをかませる
  • ロッド上部のレバーを矢印方向へ倒してロックする(←手で引っ張っても取れないか確認。これ重要。
  • 三オウル挿入ロッドは非常にデリケートなので注意
  • 垂直にpuckをかませないとロック機構が簡単に狂ってしまう。
  • 具体的に”狂う”とは、レバーを戻してもロックしなかったり、レバーを戻してもロックが外れなくなる。
  • 狂った場合、ロッド上部握り手近くの5/32inchの六角レンチを外して調整する(下図2()参照)

 

http://yoshizawa.issp.u-tokyo.ac.jp/resistivity/image1.jpg

サンプルパック導入用ロッドの下部:ネジがpuckの凸と一致するようにロックする。


      倒す


サンプルパック導入用ロッドの上部:レバー部分と固定ねじ(規格:5/32inch、六角レンチ
上部のレバー部分は倒せます。

 2(上)サンプルパック導入用ロッド下部、(下)サンプルパック導入用ロッド上部。


  • サンプルをPPMSチャンバーに挿入
  • チャンバー上部のフランジとカップリングを外す。
  • サンプルパックの凸が5時の位置に来るようにして挿入する。(少なくとも手前には向けない)
  • 底に着いたら力を加えずに回して、puckの凸がチャンバー下部のサンプル受けと一致して、puckが少し下に落ちる。
  • 軽く押し込んで、ロッド上部のレバーを上げ、puckをリリースする。
  • 上手くリリースされれば軽くロッドが抜ける。
  • もしpuckがリリースされないで上まで上がってきた場合、上記の5/32inchの六角ネジで締め付け具合を微調整すること。
  • ロッドを抜いたらクランプを閉める。(この際、輻射シールドの付いたフランジに交換するのを忘れないこと。また、抵抗測定の際は、チャコールフィルターは必要ないので、外しておく事。
  • MultiViewChamberウィンドウからPurge/Sealを実行する。
  • 本体LCD部のChamber表示がpurgedになるまでしばし待つ
  • 3回程度、Purge/Sealを行う。(梅雨時はさらに多めに行う)

  • シーケンスを作る
  • 降温させる方が早く温度制御できるので、温度を下げる方向でスキャンを組む。(大抵の場合、±2K/min程度で測定すれば、on cooling/on warmingで差が気になることはない)
  • 室温以上の測定は以下のことに注意する
  • 昇温速度は1K/min程度。これが大きすぎるとヒーターが内部にダメージを与える。
  • 室温以上のスキャンを組むときは必ず上記の昇温速度で上げてから、降温でスキャンを組むようにする。
  • 温度ループ:Scan Temperature
  • 温度ループの中に測定を入れる
  • Measurements CommandResistivityResistivity
  • サンプルを付けたチャンネル、電流値、Power Limit(=1000)Voltage Limit(=95)を入力し、OKを押す。(←金属の場合
  • シーケンスを保存する。
  • シーケンスを開き、実行ボタンでシーケンスを実行する。

 

3Sequence fileの例。シーケンスの最後にExcitationをゼロにするコマンドを入れて置くと、電流の切り忘れを防止できるのでオススメ。


注意事項

§  前の使用者が3Heオプションを使っていた場合、Model6000のバックパネルへ接続している温度計用ケーブル(P1P2)が、差し替えられている場合があるので注意。温度がうまく読み込めない場合や、わからない場合は、お問い合わせください。(内線:63424 益田研)

§  Heレベル50%以下になったら磁場をかけない

§  ゼロ磁場ならHeレベル40%まで使用可能。

§  測定が終了した際、Excitationをゼロに戻しておく

§  窒素は2~3日に一回程度、注ぎ足すこと。

§  測定が早めに終了した際は、次の人に交代を知らせること。お互い協力して、一点でも多く、良いデータをとれるように協力しましょう!