Helmholtz Zentrum Berlin (HZB) での実験(2010年4月24日-5月4日)
酸素磁性の実験のために、HZBまで行ってきました。4月21日出発予定でしたが、アイスランド火山噴火で飛行機がキャンセルになってしまい、出発が24日に延期になりました。いろいろ大変でしたが、出席できなかったはずの中性子新歓コンパに参加できたりと、よいこともありました。
←アイスランド火山噴火
HZBには、分光器専門にサポートする方以外に、試料環境のサポートの方もいます。今回の実験では、低温環境のKlausさんと酸素導入のDirkさん、そして分光器のZumbelt,
Kirrilyの4人に大変お世話になりました。横浜市大から、かつての同僚の山田重樹氏も参加しました。
←分光器NEATの上で(左からKirrily, 山田氏、私、Zumbelt)
HZBで実験していると、科学者はだいたい朝9時ころオフィスに現れ、夕方6時くらいには帰宅しています。昼は、ランチのあと必ずコーヒータイムがあり、日曜日は「家族との時間を大切にする」ために、研究所には現れません。彼らは本当に働いているのだろうか?と疑問に思っていましたが、今回の実験で疑問は氷解しました。
土曜の夜7時ころ、Kieferから携帯に電話があり、「温度が上がっているようだが、ヘリウムは汲んだのか?」と聞かれました。こちらでは指示通りのことは間違いなく行った、と伝えたところ、「それでは、温度上昇を解決するのは私の仕事ですね」とおっしゃり、土曜の夜8時ころに実験室に来ていただきました。その後、午前1時まで作業をしていただき、希釈冷凍機は無事50mKまで下がり、中性子実験を続行することができました。
私は、土曜の夜のトラブルだったので、対応は最悪週明けになるかと危惧していましたが、迅速な対応に大変感謝しました。それと同時に、ヨーロッパの人のメンタリティとして、自分が忙しいことを周りに主張することはないらしいことが分かりました。日本人とは随分違うものだと思いました。