新物質で新しい物理が見出された例
量子フェリ磁性体Cu2Fe2Ge4O13において、Feスピン間の相互作用がCuスピンの二量体を介したものであることを示し、その大きさを中性子非弾性散乱によるスピン波励起の精密解析により求めることに成功しました。この相互作用はこれまで知られている超交換相互作用やRKKY相互作用などと異なり、非磁性スピン二量体を媒介とした新しいタイプの相互作用でした。
図の説明:Cuの二量体を媒介としてFeスピン間に磁気的相互作用Jeffが働いている様子。下側のFeスピンがCuとFeの間の相互作用JCu-Feを通じてCu二量体にスピンを誘起する。誘起されたスピンがJCu-Feを通じて上側のFeイオンと相互作用する。全体としてみると、上下のFeスピンはCu二量体を介して相互作用していることになる。