スイスPSI 実験旅行記 (2013年7月30日〜8月4日）

　2013年度8月期に muSR 実験のためにスイスの PSI へ訪問しました。人生初のスイス訪問であり、人生初の muSR 実験でした。そして完全な単独海外渡航も初めてでした。ギリギリに出来上がったサンプル二種を抱いて、行きの飛行機に乗っている間は muSR 実験がどんなものかを勉強しながら、色々どうなるものか心配で仕様がありませんでした。何から何まで心配し、もはやなにが心配なのかわからずにいる最中、アエロフロートロシアという航空会社の食事は意外とマズいということはなかったです。 スイスの入国審査で一悶着あったのちに落ち会うことのできた現地の共同研究者の方である Dr. Matthias Thede を見つけたときは少なからず安心しました。使用した muSR 装置は Dolly と名付けられておりました。今回は時間的な制約から解析を行うことが出来なかったため、 muSR 法のほんの表面に触れたに過ぎないのですが中性子散乱法に比べて桁違いに小さな磁気モーメントの測定が可能であることに至極在り来りな驚きを経験しました。途中、加速器のダウンや温度調整の調子が悪い等トラブルはありましたが実験自体はそれなりに順調で無事に終わりました。サンプル自体にも問題はなかったのを聞いたときには、報われたような気がしてまたまた安堵したことを覚えています。 今回の実験は一次元反強磁鎖のボンドランダムネスによる磁気モーメントの縮みを観測することが一次的な目的でありその目的は逹せられました。最終日にはチューリッヒ市内や近くの丘へハイキング等々観光までしてしまい少しばかりの罪悪感に包まれながらも、大満足のスイス訪問でした。 　

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